発達障害×ギフティッド。2Eの子を持つ母の想い
現在、病院で主にASD(高機能自閉症)の特性があると診断されている我が家の息子。
病院での診断後、少しでも息子の特性を理解したいと思い、発達障害に関する情報を本やインターネットで調べはじめましたが、調べれば調べるほど、息子の止まらない好奇心や、特定の分野に関する知識吸収の早さなど、どうも”発達障害だけ”では説明がつかないような気がしてきました。
そこで更に情報を集め、辿りついたのが2E(発達障害とギフティッドの両方の特性を併せ持つ人)という言葉です。
そして、2Eについて調べれば調べるほど、情報があまり多くないということを感じました。
※このブログは、フツーの主婦が個人的に考えたことを書いています。ご了承の上、どうか温かい目でお読みください。
※はじめてお読みになる方は、まずこちらをお読みください。
- 「2E」って何?
- 息子のケース
- 日本にはギフティッド教育がない
- 情報収集は英語で探す
- まとめ
1.「 2E」って何?
2Eを説明するには、まず「発達障害」と「ギフティッド」について知る必要があります。
なぜなら「2E」は、発達障害障害とギフティッドの両方の特性と併せ持っている人のことだからです。(「ごあいさつ」にも書いていますが、再度書きます)
出来ることと出来ないことの差が大きく、それによって日常生活に支障が出ている場合に、医師によって以下のような診断名が付けられます。
発達の凸凹があっても、本人や周囲が困ってなければ「障害」になるとは限らないそうです。
●ASD(自閉症):こだわりやコミュニケーション・対人関係の困難がある。
●ADHD(注意欠如・多動症):不注意、落ち着きのなさ、衝動性などがある。
●LD(学習障害):全体的な知的発達に遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・計算などに困難が生じる。
ギフティッドとは「1つの分野あるいは複数の分野で非常に優れた能力を持っている人」のことを言います。
IQでいうと130以上が目安になるそうですが、国や地域によって基準にばらつきがあります。また、最近ではIQだけでは測れないものとして、IQ130以下でも飛び抜けた能力があればギフティッドと言われることもあるようです。
「2E」の特性を持つ人は、上記に書いたような発達障害とギフティッドの両方の特性を持っていることになります。
特性の表れ方は人それぞれで、ギフティッドが強く出るパターン、発達障害が強く出るパターンもあれば、強みと弱みが互いの特性を打ち消して2Eであることを周囲の人に気づかれない(見過ごされる)パターンも多いそうです。
2. 息子のケース
そんなわけで、2Eも人によって表に見える特性は様々です。
我が家の息子の場合は、全検査IQ(FSIQ)はマイルドリーギフティッドに入るのですが、項目によっては130を超えるモデレートリーギフティッドに入るものもあります。
彼の場合、学校など同世代の子が多い場所では、ASDの特性である対人関係の苦手さが出やすく、大人が多い場所や自分が得意とする場所では、ギフティッドの特性(質問力、好奇心、アイデア力等)が出やすいように思います。
病院では「高IQ」と言われているだけでギフティッドとは言われていませんが、現在通っているプログラミング教室に、日本と海外の教育事情に詳しい先生がいらっしゃって、その方に「●●君は質問力、アイデア力、プログラミングスキルから見て2Eだと思いますよ!」と言われたので、私も自分の観察眼を信じていいのかなと思っています・・。
と同時に、「2Eの子は、今の日本の教育システムが合わない子が多いんですよね。せめて、出来る部分を伸ばしてあげたいですよね・・・」とも言われました。
はい。
今まさに息子は、そのことを身をもって体験しています。
(問題なく学校に通っている子も、もちろんいると思いますが・・。)
「環境」ってとても大事だと思うのですが、今のところ 学校の普通学級(平均に合わせた一斉授業)は、息子に合う環境ではないのだと思います。(支援級に入れるか聞いたことがありますが、知能が高いから入れないと断られました。)
3. 日本にはギフティッド教育がない
ギフティッド(2E)教育について調べていくと、日本ではなかなか適切なサポート体制がない(あっても一部の地域。それか値段が高い!)ことが分かってきました。
一方、ギフティッド教育が進んでいるアメリカでは、州にもよりますがIQ120や125以上でも、一定の条件を満たせばギフティッドのサポートを受けさせてくれる学校があるようです。
我が家の現状としては、普通学級に行くのは、感覚過敏の問題などもあり最近は行ってませんが、通級は、本人の様子を見ながらASDの特性のサポートをしてくれるので行けています。
本当は、「発達障害」だけでなく「2E」としてのサポートシステムがあると助かるのですけどね・・。
先日、文部科学省が「ギフティッド」に対する教育支援を2年かけて検討すると言っていましたが、息子が義務教育のうちに少しでも何か良い変化があればいいなと願っています。
4.情報収集は英語で探す
そもそも日本語で、ギフティッド・2Eに関する情報はあまり多くありません。(発達障害の情報と比べると)
特に2Eの情報を集めようとすると、英語で探したほうが色々と見つかるので、google翻訳で訳しながら(^^;)がんばって情報収集しています。
その際一つ欠点があり、アメリカで書かれた2Eの本にはアメリカの学校のサポート紹介が載っていて、日本のシステムには合わない部分があるので、その辺は読み飛ばします。
英語の2E本の中でも特に役に立ったのが、Beverly A. Trail, Ed.D. (2011). TWICE-EXCEPTIONAL GIFTED CHILDREN. に載っている2Eの強みと弱みが書かれている一覧がとても参考になり、「これも、これも当てはまる!」と共感しながら読みました。
2Eはギフテッド要素があるので、頭の回転が早かったり、好奇心旺盛、問題解決能力の高さなどもあるのですが、一方で、ストレスをためやすかったり、完璧主義だったり、頑固さや自己表現の苦手さなどもあるのです。
息子も、好奇心スイッチが入ると どんな場所でも質問しまくり、面白いアイデアを思いつくと すぐに試してみる積極性がある一方、テストで100点以外だと自己否定をされたと思うのか 答案用紙をグシャグシャに丸めて捨てたり、些細なことで「僕なんかバカだから・・」とストレスを感じやすい様子も見受けられます。
それでも、外では使い分けをして割りと大人しくしているので、他の人には「●●君は賢いから大丈夫よ」と言われ、病院でも「IQが高いから好きなことを伸ばしてあげれば大丈夫ですよ」と言われてしまう。
う~ん。
なんかモヤモヤ。
本人や家族が抱えている問題が、他者と共有しにくいのです。IQが高いというだけで、大した問題ではないと捉えられてしまうのだと思います。
こちらにとっては悩みでも、下手すると自慢と思われてしまう可能性もあるので、「誰にどう言うか」いつも考えてしまいます。
5. まとめ
ギフティッド(2E)について書いてきましたが、『才能はみだしっ子の育て方』(酒井由紀子・著)によると、1クラス35人のうち6%(2人程度)は、才能はみだしっ子(ギフティッド)がいるというアメリカのデータがあるそうです。
つまり、あまり意識していないだけで、ギフティッド(2E含む)は身近なところに結構いるということです。
IQが高いから放っておいてもいい、低いから支援が必要というのではなく、一人一人の子供の特性に合わせた教育を学校で行えるようになるといいですよね。
どんな子にも、教育を受ける権利があるのですから。
そうしたら、きっと学校嫌いや不登校は今よりグンッと減るんじゃないでしょうか。
2Eの特性を持つ子の母親として、まずは地道に「2E」という言葉を広めるところから進めていきたいと思っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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