「感覚過敏」の子供への対応(我が家のケース)
まだ息子が小さかった頃。
高機能自閉症という診断名をもらうずっと前の話。
電車の高架下でいつも耳を塞いだり、幼稚園の制服を拒否したり、ものすごく食が細かったり・・・
周囲の子と比べると、「なんでだろう?」と思うことが色々とありました。
今思えば、それらは全て感覚過敏の症状で、当時の息子は口では上手に言えないけれど、「なんか知らないけど、嫌な感覚」を色んな所で感じていたんだと思います。
私が感覚過敏という言葉を知ったのは、つい最近(1年前くらい)のことです。
でもその前から、息子の”嫌だな”の感覚を少しでも和らげてあげたくて、色々と試してきたことがあります。
どれか一つでも、どなたかのお役に立てたら嬉しいので、今回は、我が家でやってきた息子の感覚過敏への対処法を、少しご紹介させていただきます。
※このブログは、フツーの主婦が個人的に考えたことを書いています。ご了承の上、どうか温かい目でお読みください。
※はじめてお読みになる方は、まずこちらをお読みください。
1. 味覚過敏への配慮
2. 嗅覚過敏への配慮
3. 触覚過敏への配慮
4. 聴覚過敏への配慮
5. 感覚過敏を理解する・理解してもらうために
1. 味覚過敏への配慮
一口に「感覚過敏」と言っても、その種類や程度は人によって千差万別です。
我が家の場合、毎日の生活で一番(私が)困るのは、味覚過敏です。
赤ちゃんの頃から、離乳食はあまり食べない子供でした。
幼稚園に入ってからも、園で出される業者のお弁当は、ほぼ残す。週1で家から持っていくお弁当も(リクエストを聞いて作っているけど)ほぼ残す。
小学校の給食は、”梨ひとかけ”とか”麺数本”くらいしか食べません。(去年の話)
「一体、この子は何なら食べるんだろう??」と今でも時々思います。(笑)
それでも、毎日毎日よ~く観察していると、「温かい食べ物は温かい状態で出す」「冷たいものはよく冷やしてから出す」「こだわった食材で出来ているものは食べる」「イマイチな味のものは絶対食べない」など、だんだんと息子の食べるもの、食べないものが分かってきました。
我が家では基本的に、色々な食べ物があるということを(食べなくてもいいから)知っていてほしいという想いから、息子中心の食事作りはしていません。
ただ、大人が食べる食事の中から、彼が食べられるおかずを取り分けたり、いくつか作るおかずの中の一つを、息子が食べられそうなおかずにしたりはします。
そして、食べられなかったり、残しても、「一口どぉ?結構美味しいよ。」と勧めることはしても、無理強いは絶対にしません。
その代わりに、本人が少しでもお皿の上の食べ物を食べられたら、「おかず食べられたね!」「今日はいっぱい食べたね!」など、本人の頑張りを褒めるようにしています。
周囲から見たら、「わがままじゃない?」とか「それくらい頑張りなよ」と思う事でも、過敏の程度は本人にしか分からないし、ましてや強制されて食べたくなる人なんていないと思います。
だから、「がんばってるね」「見ているよ」「応援しているよ」ということを、さりげなく言葉で伝えて、本人が自ら苦手にも挑戦したくなる環境作りが大切だと思っています。(親も人間なので、出来ないときもありますが。)
2. 嗅覚過敏への配慮
息子の場合、食べ物の匂い(特に給食、レストラン、カフェなどの外食)に敏感に反応します。
幼稚園の頃から、年に数回突発的に外食での匂いがダメになる(嘔吐する)ことがありましたが、去年からの1年間はずっと、不登校などの影響で自信をなくしていたこともあるのか、外食先の匂いを一切受け付けず、つい最近まで外で全く食べられない状態が続きました。
一時期はスーパーや商店街で匂う食べ物の匂いもダメで、本人も相当苦しかったと思います。
でも、家や私の実家では普通に食べることができたので、(味覚過敏↑でも書きましたが)自宅でご飯を食べる時に、「今日は野菜食べられたね!」「今日は苦手なおかずに挑戦できたね!」「一緒に食べると美味しいね!」など、地道ではありますが、小さな成功体験を何度も何度も積み重ねてきた結果、ここ最近になって再び外食が出来るようになりました。
本人も、最初は恐る恐るで、「まずは、すぐに外に出られるようにフードコートで食べてみようか」とか「一応袋(嘔吐用)もっていってね」など色々と心配していましたが、ホップ・ステップ・ジャンプで少~しずつハードルを上げて、行けそうなお店を増やしていくうちに、最近では以前のように普通に外食ができるようになりました。
一緒にまたレストランに行けるようになったことも嬉しいですが、それ以上に”外食ができる自分”を取り戻したことで息子の自信に繋がったことが一番嬉しいです。
3. 触覚過敏への配慮
最近は、以前ほど触覚過敏はありませんが、幼稚園の頃は園の制服を着ることができませんでした。(月に数回着ることになっていました)
その頃の私は触覚過敏という言葉こそ知りませんでしたが、「どうも白シャツとズボンの生地が嫌らしい」ということは息子の様子から薄々分かっていました。
たまたま担任の先生から入園後の保護者会で「たまに制服を嫌がる子もいます。制服を着なきゃいけないなら幼稚園に行かない!というくらい拒否する場合は、無理に着せなくていいです。」と言われていたので、制服が着れないと分かってから、白いポロシャツと黒いズボンを購入し、礼服っぽく見えればOK!と決めました。(自分の心の中で「うちの子はコレでいい!」と決めてしまえば迷わないので)
そうやって少し服への負担を減らした結果、息子の場合ですが、学年が上がる中で徐々に制服が着られるようになり、卒園式では上から下まで制服を着ることが出来るようになっていました。(人によって程度は違うので、そうじゃない方もいらっしゃると思います。あくまでも我が家のケースです)
幼稚園や学校の方針などもあると思うので、制服を着なくてもいいと言ってもらえるかは学校によって違うと思いますが、制服などに苦手な生地があった場合、着られる生地の服で代用できるか、担任の先生に相談してみるのも有りかもしれませんね。
4. 聴覚過敏への配慮
聴覚過敏は、小さい頃よりも小学生になってから目立つようになってきました。
小さい頃から、電車の高架下などの大きい音がある場所では耳を塞いでいましたが、そこまで気になりませんでした。
でも小学校に上がってから、担任の先生の大声や救急車のサイレン、雷の音、映画館の音、食器がぶつかる音など色々な音に反応するようになってきました。
中でも学校に行くと、息子は非常に疲れるようです。
ASDの特性などもあるのでしょうが、学校の教室は、先生の声と生徒の声が混ざり合いザワザワしているので、聴覚が疲れる・聴覚が辛いのかなぁと思っています。(母の想像ですが・・)
そんな息子は、学校に行くときはイヤーマフを持参しています。
(写真出典:Amazon)
↑↑↑失敗を経て、現在息子が使っているイヤーマフです。
ヘッドバンドの力が強すぎないので、低学年のお子さんにも扱いやすく、お勧めです。
(イヤーマフに関する過去記事はこちら↓↓)
また、感覚過敏(聴覚過敏)を周囲の人に知ってもらえたほうが理解が得やすいと思ったので、聴覚過敏缶バッジやキーホルダーを付けています。
ネットで調べると色々と可愛いのが出てきますが、息子はこちらを使っています。
↑↑↑缶バッジは手提げ袋に、キーホルダーはランドセルに付けています。
感覚過敏を応援ミニトートバックは私のお散歩用に使っています。
5. 感覚過敏を理解する・理解してもらうために
感覚過敏は外から見ても分からないので、本人の辛さを、周囲の人がなかなか気づけない・理解しずらいことが多いと思います。
お子さんが小さい場合、口で上手く伝えられないので特にそうだと思います。
また、小学生くらいでも、本人が「感覚過敏」という言葉を知らなければ、「なんか知らないけど不快。嫌な感じ。苦手」ということは分かっていても、自分で説明するのは難しいかもしれません。
そんな時に役に立ってくれる絵本がこちらです。